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about a manner

ちょっと何言ってるかよくわかりません

服と美術好きの夫婦がパリに新婚旅行へ行ってきたよ【出発後編】

前回の続き。今回は出発後編。

 

服と美術好きの夫婦がパリに新婚旅行へ行ってきたよ【出発前編】

 



 

 

 

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1. 教会

ガイドブックに大きく取り上げられるような教会の内部のみの見学なら1.5時間、それ以外は1時間以下で済む。椅子に腰掛けて祈りを捧げられる余裕あり。

 

但しノートルダム大聖堂の塔は別格。人気&人数規制があるため、登るまでに相当待つ必要があった。

塔の入り口は聖堂を正面に見て左側にある。看板が小さいので、列が出来るとどこからどう並んでいるのかが少しわかりずらい。

私達は平日9:15に並んで第一陣として10時から登ることができたが、ギリギリだった。ラルフローレン(!)の刺繍ががっつり入ったポロシャツの陽気なムシューが、観光客集団を1グループ30人ほどに手際よく分け、前へ進むように指示。

 

1グループ毎に15分ほどの時間差がおそらく設けられていると思われる。平日の11時頃に塔を降りた時にはざっくり200人くらいの行列が出来ていた。この時間以降に登り降りするのには相当時間がかかるのではないだろうか。

ほとんどの教会は朝8時には空いているので、朝一で近くにあるサントシャペルorノートルダム大聖堂を見学→塔の入り口で待機が理想だと思う。

塔からの景色は文句なしの絶景で、登る価値はある。それに朝一の教会の敬虔な雰囲気を一度は肌で感じたい。

 

個人的にはサン=ジェルマンにあるサン・シュルピス教会が印象深い。1646年から建設が始まったネオクラシック様式の教会。

かなり大きい規模の教会だと思うのだが、内部はかなり劣化していた。礼拝堂は補修工事のため全く見学できなかった。静かな館内を細々と照らす蝋燭、おっちゃんたちがウロウロ作業している風景が、いかにも歴史ある教会といった風で微笑ましかった。褪せたドラクロワのフレスコ画「ヤコブと天使の戦い」もいい。

 

 

鑑賞時間の例外はアンヴァリッド。教会としての意義が他とは若干異なるため、教会の規模が大きく、内部構造は独特、そして装飾の荘厳さが群を抜いている。ナポレオンの出生や政治と宗教の表象について考えながら鑑賞したので2時間かかった。

 

 

 


2. 美術館

今回はオルセー美術館、軍事博物館、ルーブル美術館、ポンピドゥーセンター、ガリエラ美術館の順に鑑賞した。結果的にこの順番で良かったと思う。

 


(1) オルセー美術館

オルセー美術館19世紀パリ、印象主義の作品が収蔵されている。2日間に分けて合計7時間で一応全て鑑賞。質量共に圧巻。チュイルリー駅側のホテルから徒歩15分ほどだった。

 

形而上学的な知識があまり必要ないので気軽に鑑賞出来る。また「あ、この絵あのへんちゃう?」、「2世紀経っても街並みが変わってない…!」という現地ならではの驚きも味わえる。一番最初に鑑賞するにはモッテコイ。

 

印象派の光の色、表現のリアリティをフランスの風景に身を置いてはじめて感じることができた。

大好きなレイトン、ゴッホの自画像や風景画、モロー、ルドン、それからファッション画としても有名なジェームス・ティソ、カイユボットも各5点ずつほど鑑賞。マネ、モネ、ルノワール、ドガらの作品も多数あり、深井晃子の著作を捲ってから訪れると感動が増す。

 

木曜日は21:45まで開館している。夜は鑑賞者も若干減るし、ディナーの時間にもうまく接続できるので、延長開館を念頭にスケジュールを立てるのがいいのではないか。

 

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(2) 軍事博物館

アンヴァリッド内にある博物館は戦争画や実際に使用されていた武具、大砲などが収蔵されている。

正直物騒で、苦手。物々しいセキュリティチェックと沢山の衛兵。見学したミュージアムで唯一「英語のキャプション」も添えられており、国家戦略上極めて重要な施設として位置付けられていることが伺える。

血生臭さに嫌気がさして一時間弱いほどしか館内にいることができなかったが、セキュリティチェックが厳しこともあってか、入り口には50人以上の行列が出来ていた。

 

 

(3) ルーブル美術館
ルーブル美術館は噂に違わず広大さ、膨大さ。私達は非ヨーロッパ圏、彫刻にはあまり興味がないので、絵画と有名な収蔵品のみ(ミケランジェロの奴隷、ミロのヴィーナスやハムラビ法典)に絞って見学。

2回に分けて5時間ほど鑑賞。こちらは水曜日、金曜日が21:45までの延長開館なので、そこを狙って見学した。

 

メトロのルーブル美術館駅(PALAIS ROYAL MUSEE DU LOUVRE駅)から地下通路を通って入館したが、ほとんど並ばずに済んだ。噂によると有名なガラスのピラミッドがある地上口は混雑するらしい。

 

入館したはいいものの途中から「鑑賞したという事実のための鑑賞」を始めてしまった。アングルやドラクロワといった巨匠の名画だけはゆっくりと鑑賞、その他印象的な作品は記憶から抜けないように写メを撮る。

 

課外授業のためだろうか、小学生から高校生くらいの子供たちがわんさかいて、引率の先生から説明を受けていた。身体、教養の面で、日本人として土俵に立つことがいかに絶望的かを改めて思い知った(手足がすでに私より長い…)。

 

ルネサンスの収蔵品が少なかったが、ダヴィンチ(「洗礼者聖ヨハネ」は修理中で見ることが叶わなかった)、偏愛するポントルモの異様な色彩を鑑賞出来て満足。

 


(4) ポンピドゥーセンター

ポンピドゥーセンターはショッピングの後に見学。

 

チュイルリー駅からバスティーユ駅で乗り換え、ST SEBASTIEN FROISSART駅で降り、まず北マレ地区にあるセレクトショップ、MERCIへ。

そのままぶらぶらと徒歩20分ほど南下するとヴォージュ広場にぶつかる。そのままアパレルショップが多いフラン・ブルジョワ通りを過ぎ(途中ユニクロもあった)、パティスリーが多いランビュトー通りを歩くこと40分ほどでポンピドゥーへ。

歩きつかれたので、正面玄関前の広場で地元の方々に混ざって地べたに座って軽食を済ませる。

 

はるばる徒歩でやってきたものの、ポンピドゥーは私達の苦手な20世紀以降の作品を扱う美術館。

予備知識不足&滞在4日目で心身疲弊気味。仕方ないのでデュシャンブルトンイヴ・クラインら著名な作家を大変有難がって鑑賞するという暴挙に出た。5Fの中庭からパリの夕暮れを堪能し、結局2時間程度でそそくさ退散。

鑑賞者は若者や単独の方が多い。他の美術館より鑑賞者数が少ないので館内がとても静か。この分野をお好きな方にはたまらない空間かと思う。

 

 

(5) ガリエラ美術館

目下オートクチュール展が日本で開催されていることもあり、モード品を収蔵するガリエラ美術館にはかなりの期待を込めて訪れた。

チュイルリー駅からFRANKLIN D. ROOSEVELT駅で乗り換え、ALMA MARCEAU駅から徒歩5分。地下鉄移動は25分(余談だが、パリの地下鉄は乗り換えの際に結構歩かされる。赤坂見附-永田町駅間、550mくらい歩くイメージ)。


が、規模が小さくわずか5部屋。こんなに小さいと思っていなかったので、突然出現した出口で混乱して立ち尽くしていたところ、学芸員に「5部屋見た?5つね。これで全てよ」と言われ、「うそーん…」。

じっくり見たつもりだったが2時間ほどで見終えてしまった。

 

こじんまりしていたとは言え、収蔵品はさすが。18世紀の驚異的に精緻な刺繍が施されたドレスはレプリカに見えるほど保存状態が良い。バレンシアガ、ディオールヴィオネ、サンローランなど、オートクチュール展で鑑賞出来たレベルの作品がズラッと並ぶ。

一番驚いたのは、デニムの農作業着。アンティークを取り扱う古着屋でも滅多に1830年以前のものに出会えないが、それより古く、シミやほつれがほとんど無い綺麗なデニムが壁から無造作に吊ってあった。

 

 

 


3. 食事

食べることは好きだが、グルメに対する強いこだわりを持っていないし、アルコールもあまり飲めない。

グルメな知人たちの意見は「パリでそこそこ高いご飯を食べるなら、日本で高いフレンチレストランに行くべし」で一致していた。だから今回は「色々なヴァリエーションの料理を、コスパのいいところで頂く」ことがテーマになった。

食レポしても面白いことは書けないと思うので、引き続き移動時間とお金と特記事項をまとめる。

 

 

(1) Auberge Pyrenees-Cevennes(オーベルジュ・ピレネー・セヴェンヌ)

当初は先輩が大絶賛する、ヘルムート・ラング御用達のアルゼンチン料理のお店、ANAHIでの食事を予定していたのだが、国内から何度電話しても全く繋がらない。現地に行くと残念ながら閉店していた..。

 

仕方がないのでもう一軒薦めて頂いていた「疲れた身体に染み渡る、パリで一番うまいポトフ屋」に行くことに。それがAuberge Pyrenees-Cevennes(オーベルジュ・ピレネー・セヴェンヌ)、

ではなく実はLe Roi du Pot au Feu(ル・ロワ・デュ・ポトフ)を教えて頂いていたのだが、パリ滞在中にはこの間違いに気づかなかったほど、大変美味しかった。

 

サーモンとスクランブルエッグ、何種類かの肉とソーセージ、ひよこ豆を煮た鍋料理、タルトタタンをオーダー。

ARTS ET METIERS駅からANAHIに一度立ち寄り、迷子になりながら到着したので徒歩で45分近くかかってしまった。到着した時はすでに21時を回っていた。治安がちょっと悪そう。

 

相当空腹だったのだが、この鍋料理のボリュームは半端じゃなく、吐きそうになりながら(失礼)なんとか胃に詰め込んだ(味は間違い無く美味しい)。後日知ったことだが、鍋料理はシェアできないらしい(上述のポトフの王様でも不可)。

 

デザートのタルトタタンはどう考えても食べられなさそうなので、ウエイターにテイクアウトできるか聞いたら、なんとOKとのこと。厚地の紙製のタッパーに入れ、ビニール袋に包んでくれた。

 

【まとめ】

ボリューミーで美味しい

素材の味とスパイスがつんとくる

ドレスコードなし

英語の通じるスタッフがいる(陽気な黒人のアラサーくらいの女性)

英語のメニューあり(筆記体で読みにくい)

後ろにゲイっぽいおっさんがいた(テーブルマナー雑)

二人で90ユーロ(サービス料込。テイクアウトのお礼で別途チップ)

帰りはチュイルリーまでタクシーを利用、10.5ユーロ。

 

フィガロのパリ特集で取り上げられていたので、日本人の対応がそれなりに慣れていると思われる。

 

 

 

 

(2) la regalade conservatoire (ラ・レガラード・コンセルバトワール )

パリ市内で人気のあるレストランの3店目。モダンシックなレストラン。なかなかの人気店らしく、グルメな方々が仔細に書いているので割愛。もちろん美味しかった。私達の他に日本人マダムの団体がいらっしゃった。

 

ネット予約できるのがありがたい。三日前に予約した。

備考欄には「日本人観光客です。フランス語わかりません。英語のメニューがもしあれば、用意してくださると此れ幸い。メルシー」とフランス語と英語で書いておいた。きちんと用意してくれていた。

 

 

【まとめ】

オシャレなパリらしい雰囲気の中、格安でコース料理を食べられる

ドレスコードなし(旦那はジャケット、シャツ、デニムに革靴。嫁はワンピース)

英語の通じるスタッフがいる(ナランチャ似)

英語のメニューあり

コースは一人37ユーロ

飲み物代(グラス一杯とカプチーノ)とサービス代込で合計約90ユーロ

帰りはチュイルリーまでタクシーを利用、15ユーロ

 

 

(3)Les Enfants Rouges(レ・ザンファン・ルージュ)

先輩が「安心&間違い無く美味しい」と進めてくださったお店。日本人シェフが経営されている北マレ地区にあるお店。スタッフもほぼ日本人。ショッピングの日に予約した。

日本国内から電話で予約した際も開口一番「お電話ありがとうございます!」ととても明るい応対。安心してお邪魔することができた。

 

「洗練された料理とはこういうものなのか...!」と夫婦で感動。お店の雰囲気、食材は素朴なのに、味音痴の私でも洗練されていることがわかるのだ。美味しい以上の何かを感じる。不思議だー。

 

日本人は私達とは別にもう1組いた。20時手前の時点で常連らしい地元民、オシャレな老夫婦たちであっという間に満席に。予約は必須。日本から出発の一週間前に予約した。

 

 

【まとめ】

シェフの腕による「ただ美味しい」だけじゃない何かを味わえる

ドレスコードなし(旦那はスエットパーカー、嫁はカットソーにスカート)

日本語でオールオッケー(しあわせ)

コースで一人40ユーロ

飲み物代(グラス一杯と炭酸水、カプチーノ)、サービス代込で約100ユーロ

帰りはチュイルリーまでタクシーを利用、15ユーロ

 

 

(4) Le Verre Vole(ル・ヴェール・ヴォレ)

ストライキのためベルサイユ宮殿ツアーが急遽中止になり、スケジュールの大幅変更をするはめになった。

観光地が変更するに及んでディナーも変更しなければいけない。どうしたものかと現地で困っていたところ、救いの神が。パリ在住の方から大変ありがたいご提案を頂き、なんとお店を予約までしてくださった。この場を借りてお礼申し上げます...!

 

ストライキとデモのためRepublique駅に近寄らない方がいい」と現地のプランナーがアドバイスしてくださったこともあり、チュイルリー駅からギャラリー・ラファイエットで一度ショッピングをし、ぐるっと左回りにJACQUES BONSERGENT駅へ。百貨店に寄らず、地下鉄移動だけなら30分はかからないだろうと思う。

 

駅を降り、少し迷子になりながらも到着。徒歩10分ほど。途中に内装がブルーの、同名の立ち飲みバーのようなお店があったのだが、そちらは2号店らしい。イケメン店員が「日本人シェフがいる店舗は、この先の運河のそばだよ」と親切に英語で教えてくれた。

 

予約してくださった方のオススメ通り、この旅初めて魚料理をオーダー。ふっくらと肉厚、ほどよい脂身があり美味しい。料理に合う白ワインを注いでくださり、絶品だった...のだが、銘柄を控えるのを忘れてしまった。

 

入店後すぐに地元民で満席に。帰国後に気づいたが『地球の歩き方』にも掲載されるほど有名な、予約必須のお店だった。

 

近くにはサンマルタン運河があり、沢山の若者たちが歌ったり踊ったりしていた。鴨川的な場所みたい。

何となく海のにおいを感じながら楽しい時間を過ごすことができた。こちらの方面を観光する予定がなかったので、このお店に来れてよかった。

 

 

 

【まとめ】

魚料理とワインが美味しい、気さくな漢達による店

サンマルタン運河沿いは町並みが他とは少し異なり、歩くだけで気持ちいい

ドレスコードなし

英語の通じるスタッフがいる(ノリでだいたい通じ合える)

英語のメニューあり

二人で80ユーロくらい(時間がなく、カプチーノをオーダーできなかった)

帰りはチュイルリーまでタクシーを利用、10ユーロ

 

 

帰路のタクシー運転手がガタイのいい黒人のオッチャンで、ちょっと怖かった。

レゲエをガンガンにかけて鼻歌を歌いながら運転。しかもテクニックが尋常じゃない。

割り込みに次ぐ割り込み。名古屋人でもここまで攻めない。小牧・長久手ナンバーならやりかねない。

結局、かなり遠くから利用したのに10ユーロしかかからなかった。ありがたかったけどすごくドキドキした...。

 

 

敬愛するサルトルが愛用したカフェ、カフェ・ド・フロールにも行ったが、値段が非常に高く、接客は雑で(やや高圧的)、料理は並だった。京都のその辺のお抹茶屋さんって感じ。

一階には私達のようなジャリがぶち込まれるが、二階は皮張りのソファーが並ぶゆったりと静かなスペース。恐らく常連はこちらに案内されるのだろう。

ま、これもいい思い出。

 

 

 

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教会も美術館も、ご飯屋さんもいろいろな方にオススメして頂いていたのだが、半分以上回ることができなかった。子供ができる前にもしもう一度パリに来ることができたら、パリ近郊を含めて、取りこぼしたところを回りきりたい。

 

いろいろな方の力を借りて計画し、大きな事故なく楽しめ、二人で無事帰国することができた。支えてくださった方々に感謝感謝。

新婚旅行を通じて感じたこと、学んだことを無為にしないようにこれからも頑張ろう。そしてパリ永住の道を模索しよう。

 

 

 

 

パリ時間旅行 (中公文庫)

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